池上酒店

人生の節目に寄り添う一杯「酒発(しゅっぱつ)」 

長野県伊那市で地域に根ざした酒屋を営む池上酒店さん。 

池上酒店さんが地域の「農・商・工・福」といった社会資源を連携させて開発した芋焼酎「酒発(しゅっぱつ)-スタート」をご紹介します。 この酒には、人生の節目に、さまざまな嬉しい瞬間にぴったりな「新しい一歩を踏み出す人を応援したい」という想いが込められています。  

商品開発に込められた想い 

人生の節目に、気持ちを託す 

入学、就職、転職、独立、結婚、退職。 人生には、いくつもの「出発の瞬間」があります。 
そのときに贈るものは、ただの記念品ではなく、その人のこれからをそっと支えるものであってほしい。 

「酒発」は、そんな願いから生まれたお酒です。 
「ここからまた始まるね」 「よくここまで来たね」 
言葉にしきれない想いを、この一本に込めて手渡していただきたいです。 

「酒発(芋焼酎)」は、芋の栽培から、加工、商品として届けるところまで、ひとつの流れの中でつくられています。 

その工程には、地域の障がいのある生徒さんたちが関わっています。 
飯田、伊那、長野、飯山、稲荷山、松本の各養護学校のほか、西駒郷の障がい者支援施設の利用者さんたちがこの芋の栽培から収穫をしてくれました。 

畑での植え付けや収穫。収穫した原料の洗浄や選別という作業の中で、一つひとつの工程を自分の手で担っていく。 知的障害を有する生徒さんたちのその努力が、この一本につながっています。 

「働くことを通じて、自分の役割を果たせる」という、生徒さんたちそれぞれの自立や成長のスタートとなる一歩一歩が大切にされています。 

「農・工・商・福祉連携」でつながるプロジェクト 

このプロジェクトには地域のさまざまな人たちが関わっています。 

製造面では県内の喜久水酒造が技術協力を行い、焼酎に製造・貯蔵を担当しています。 農業、福祉、教育、ものづくり。 
このプロジェクトによる新商品開発が地域おこしと、障がいを持つ生徒さんたちの経済的自立につながります。 

この商品が生産されたとき、生徒さんたちの親御さんたちがまず購入してくれたと聞きます。 
ラベルの「酒発―スタート」の文字に胸を熱くした親御さんたちがたくさんいたに違いありません。 

誰かを温めた一杯が、また違う誰かを次々と温め、新しいスタートを切る勇気が持てますように。 
私たちは、その一杯に込められた祈りとともにありたいと願っています。  

味わいの中にあるもの 

口に含むと、やわらかく広がる芋の甘みと、すっきりとした後味。 強すぎず、飲む人を選ばない、穏やかな味わいです。 

13年前に養護学校の先輩たちが作っていた「長期貯蔵古酒」をこの酒発にブレンドしたところ、奥行きと香りがたった夢の焼酎ができました。 そこに至るまでの時間や関わった人の存在が、自然と重なってきますね。 

「誰かが関わっているから美味しい」 そんな感覚が、あとからじんわりと伝わってくるお酒です。 

贈るという行為が、つながる 

「酒発」は、贈る人と受け取る人だけで完結するものではありません。 

その背景には、畑に立った人、作業をした人、支えた人、学んだ人、関わった人がいます。 そのすべてを含めて、一本のお酒として手渡されていきます。 

だからこそ、このお酒は「おめでとう」だけではなく、 「これからもずっと応援しているよ」などという意味を持っているように感じました。 

シナのモノがたりより 

このお酒は、静かに背中を押してくれる存在です。 

農福連携という言葉を知らなくても、飲んだあとに、どこか温かさが残る、そんな不思議な力を持っていると感じました。 

確実に誰かを応援できる美味しい芋焼酎です。